日本最古の学校として知られているものが足利学校です。栃木県足利市に位置していますが、栃木県民でなくても、誰もがその歴史を授業で名前を聞いたことがあるかもしれません。沖縄から来た生徒もいたというほどで、長い歴史の中学徒3000人以上を排出しました。スペインの宣教師フランシスコザビエルが日本に訪れた際にはここを訪れ、日本で一番大きく、そして一番有名な坂東大学として海外に紹介したこともあったのです。ここで言う坂東とは関東のことを表していて、16世紀のヨーロッパの日本地図においては、坂東はここを示していたとも言われています。歴史的な見どころなどについて気になる人も多いかもしれませんが、細かい部分まで把握しておくとよいでしょう。

足利学校の創建については諸説ありますが、現在でもどれが正しいのかは分かっていないとされています。710年から794年まで続いた奈良時代の国学を起こりとしている説もあれば、794年から1185年まで続いた平安時代に創建されたという説、また1185年から1333年まで続いた鎌倉時代の足利義兼による創建説なども存在します。そして室町時代には上杉憲実が書籍を作りましたが、その際に詳しい文化についての記録が残されていると言われています。
日本最古であることは多くの人が知っているかもしれませんが、とのようなことが学べたのかはよく知らないという人も多いでしょう。現在学校と聞くと国語や算数などを習うのが一般的ですが、ここでは主に孔子の教えに基づいた儒学を中心に学んでいたのがひとつの特徴です。儒学とはどのようなものなのかと言うと、孔子に始まり、孟子などの人々がさらにその内容を深めていった儒教を解く学問です。儒教とは三大宗教の一つであり、仏教などともに有名でした。宗教と聞くとキリスト教やイスラム教などを思い浮かべる人が多いですが、これらにあって儒教にはないものが神や仏の存在です。儒教では現世においてどのように生きていけばよいのかという考え方を大切にしていたのです。足利学校本館に通っていた生徒たちは、中国地域の古い書物を教科書にして、それを書き写すことで学んでいたと言われています。自分が納得のいくまで勉学に励み、一日でも卒業ができたと言われています。その教育の中心は儒学ですが、その他にも医学や兵学などを学ぶこともでき、戦国時代には多くの出身者が戦国武将に使えるということもありました。